カトリーナ
2週目終了〜。初めましてのクラスメイトの中で気疲れしていたのが、顔見知りが増えてきたせいか、今日ようやく慣れてきた感じがした。授業も、今後のテストへの心配はあれど、なんとなく形式が分かってきて落ち着いてきた。さて、今日の授業で先生が小話していたのが、ハリケーン カトリーナのお話。ちょうど20年前、アメリカ南部を襲った大型ハリケーン。ここニューオーリンズではおよそ1,000人が亡くなり、大多数が避難を余儀なくされた。地元の人は、このハリケーン前後でまるで人生が変わった、なんて話す人が多い。今年で20年が経つので、この惨事を忘れないようにと、大学でも掲示スペースに写真が貼られるなどして取り上げられている。当時、キャンパスでも大勢が、階数が高く浸水を避けられる研究棟へと避難したらしい。先生は避難から帰ってきた際にその研究棟に最初に足を踏み入れた人の1人らしく、ごみの種類がスナックとお酒ばかりだった、とか、ペットはヘリコプターでの避難をさせてもらえなかったから建物に残されていて、帰ってきた時にまだ生き残っていたモルモットを引き取って、そいつはその後かなり長生きしたんだ、僕はそいつのヒーローなんだ、などとなかなかシビアな話をユーモアを交えて話してくれた。笑い混じりに聞いていたが、最後に授業に戻る前にぽそっと、一番きつかったのは臭いだった、20年経った今でもその臭いが脳内に住み着いている (It lives in my head)、と呟いてその小話が終わった。カトリーナの話を聞いて、浸水や建物被害、別の州への避難、ということばかりを想像していたのだけれど、確かに、日本ほど衛生観念がしっかりしていないこの国で、大人数が鮨詰めになって、かなりの臭い被害があっただろう。想像もしなかったが、言われてみるとものすごく鮮明に予想できる。そして、生死に関わらなくとも、かなり厳しいだろうことも。ウィキペディアの文字面でしか理解していなかった災害被害の生々しさの一端に触れた一コマだった。