JC3

すっかり遅くなってしまったが、先週また論文紹介を担当した。今回は好みの論文を見つけるのに苦労したー。

Blackie, L., Gaspar, P., Mosleh, S. et al. The sex of organ geometry. Nature 630, 392–400 (2024). https://doi.org/10.1038/s41586-024-07463-4

基本、投稿して間もない新しい論文を選ぶようにしているのだけど、なかなか良いのが見つからず、これは去年投稿の論文。ハエをCTスキャンして、体内の臓器配置やサイズを細かく調べている論文。特に、オスメスの腸の違いに着目している。メスの方が太くて、コイルもしっかり。そしてそれは腸管の周りに張り巡らされたTrachea (酸素供給している管)による影響では、と提示している。普段はどうしても解剖してしまうので、実際に体内器官がどういう配置やサイズで動いているんだろう、というのは常に気になっていた。今回はハエの成虫を使っていたけれど、幼虫とかでも使えるんだろうか。そして、この論文では、腸以外の臓器の左右非対称性なども言及していたので、その辺りも気になる。

そして、授業の一環でもグループでの論文紹介をしたんだった。こちらは、お気に入りの研究者さんの論文。2年前、ミネソタでのシンポジウムで発表を聞いて以来のファンなので。これは、self-generated chemotaxisという細胞運動に関連している。どのように細胞は移動する方向を見つけているのか?というのが命題。たくさん複雑な迷路を作って、細胞を走らせて、細胞は行き止まりまで行かなくても、正しくゴールを見つけられるよ、ということを示している。この授業、なかなか皆堅苦しい発表が多くて息が詰まっていたので、変わり種を出すことで目を覚ましたい気になった。細胞迷路、目新しいでしょ?って。まあ、やるだけやれたので満足。

  • Luke Tweedy et al.
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Seeing around corners: Cells solve mazes and respond at a distance using attractant breakdown.Science369,eaay9792(2020).DOI:10.1126/science.aay9792

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